菩薩

王国(あるいはその家について)の菩薩のレビュー・感想・評価

3.5
なにぶん茨城県取手市の出身なもので「うおっ!龍ヶ崎やんけ!」とか「マジかっ!?竜鉄やんけ!」と変なところでテンションが上がってしまい本来の楽しみ方が出来たのかはまったくもって謎だが、気付いたらしっかり150分経っていたのできっと大丈夫だったのだろうと思いたい(?)。ちなみにだがこの「りゅうがさき」と言う記述にしても、市名を表すのは「龍ヶ崎」で鉄道名を表すのは「竜ヶ崎」と、同じ「王国」内であっても若干の差異がある、ってのはたぶん関係ないのだろうが…。ついでに言えば劇中で度々言及されていた荒れていた中学校(名誉の為名前は伏せる…)に関する逸話はあれおそらくマジで、加えて言えば(あくまで友人からの伝聞なので多少盛られている可能性はあるし俺の記憶違いもあるかもしれないが)やれ授業中に廊下を単車が疾走していたやら…給食室の食材がぶちまけられて全校で給食が中止になるやら…窓ガラスに関しても新しくはめたところでどうせすぐ割られるから途中から修繕を諦めたやら…色々エクストリームな伝説を聞いたことがあるので「あの〜中学校」との反応は残念ながら正しい。これを「映画」であるか無いかと判断する事自体がこの作品の企みにまんまと組み込まれている反応なのだろうし、この挑戦的な姿勢かつ長尺を素直に「面白い」とは正直言えないのだが、ヒリついた話の内容と言い興味を惹かれる事は確かである。反復の中で徐々に姿を表す王国の成立/侵入/崩壊に至る過程はとことん残酷で「形あるものはいつか壊れる」と当たり前の法則を痛感させられる、教育も家庭もこの国さえも。昨日観たとある映画は透明なお婆ちゃんが関係を維持・破壊するキーとなっていたが、こちらは姿を現さない子供がその役目を担っている。どうでもいいけどアキの元彼のセキ君と俺、同じ高校だわ。
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