犬都歩

アスの犬都歩のレビュー・感想・評価

アス(2019年製作の映画)
3.6
平均的なアメリカ人がどれくらい聖書に知悉しているのか知らないけど、エレミヤ書の11章11節とだけ聞いてピンとくるものなの?
私は途中でググりました。
“それゆえ主はこう言われる、見よ、わたしは災を彼らの上に下す。彼らはそれを免れることはできない。彼らがわたしを呼んでも、わたしは聞かない。” ……らしい。
もっと迂遠な隠喩かと思いきや、かなり直球だった。

スプラッタ映画ではないのでゴア度は低いんだけど、「自分と同じ顔の何かに攻撃される」というシチュエーションのおかげで序盤は結構不気味。中盤はちょっと中弛みして、ラストで盛り返す構成。

最後の息子の行動は、母と同じく仮面をかぶってみせることで母のすべてを包摂する愛とも取れるし、殻にこもることで拒絶しているとも取れる。
解釈の選択肢を残す、なかなかいいラストシーンだったかと。

母と娘はどちらも攻撃までの判断が速いのがグッド。
父親は途中まで良キャラだったのに、結構早々に存在意義ゼロになってて泣けました。
犬都歩

犬都歩