このレビューはネタバレを含みます
つまらなかった。
面白くないと言うより、つまらない。
ストーリーの密度の高さがONE PIECE原作の良さだと思うが、スカスカで見ていて暇。
展開される筋が1本のみ。
皆で取り合う宝が『ルフィこれ興味無いだろ』とすぐ分かるものなのも、オチが見えすいている。
ロジャーもそんな夢がないアイテムを宝として言葉まで残して探させないだろ…
オールスター映画であることを活かしたいのか、主要キャラ同士で各地でドンパチさせるが、巨悪がバレット1人なのに他のキャラが戦うことの意味付けが弱い。
特にスモーカーをサボが止めた意味が薄い。
共闘への繋ぎが無理やり感が凄い。
せめて、それぞれの映画内での行動原理やキャラクター性をもっと描写して欲しい。
鑑賞者が知っているていで描写しないのであれば、行動に原作との矛盾を感じさせないで欲しい。
それができないならオールスターにすべきではないと思う。
また、今回の悪側黒幕2であるフェスタが小物かつ魅力がちっとも描かれていない、控えるサポートキャラもいないので、フェスタのターンがもはや苦痛。
ロジャーの残した伝説、ラフテルのエターナルポース、ロジャーの元クルー、バスターコール、この映画の使われ方が雑すぎて、それぞれの重みが軽くなった感すらある。
キャラクターの解像度も低く感じる。
ウソップはボコボコにして泣かせときゃ良いだろ感、そのシーンもリズムが悪い。
ハンコックはルフィ推しを海軍辺りには表出してないはず。
ルフィはボコボコにされたとしても、麦わら帽子をあんなに無造作に扱わないだろう。
etc...
これだけストーリーが薄くとも、映画館のスクリーンで見ればバトルシーン山盛りの本作は楽しかったのだろうか？とも思ったが、大規模な破壊シーンで入る、前後のカットと馴染まないCGが違和感ありすぎて没入感がない。
平成初期の良いCG、くらいの安っぽいCGが非常に浮いている。
『ドラゴンボール超スーパーヒーロー』の馴染ませる技術はかなり高かったのだなと感じた。
数年前の映画であるのでCGの安っぽさは仕方ない面もあるかもしれない。
しかし、数十年前の手書き映画の方が余程没入感があることを考えると、やはり手書きや手書きによる調整は作品を色褪せないものとするために重要なのだと思う。
個性のない作画、薄く退屈なストーリー、違和感のあるキャラクターの動き、総評:つまらない。
