Yuichi

家族ゲームのYuichiのネタバレレビュー・内容・結末

家族ゲーム(1983年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

なんだこの映画。頭がおかしいのか、という最高級の褒め言葉しか出てこない。

ふねでしか?たどり着けない不思議な場所にある団地に住む4人家族。そこに異分子である家庭教師がやってくる。

登場人物、全員がどこかのネジが外れてしまっている。
そして、誰にも強い欲求や目標は存在せず、ただ、家庭教師が入ったことで、崩れ立て直されていく関係性に翻弄していく。

父親は、金を出すから、なんでも成績を上げてくれというのだが、その金の話は最後には出てこず、そして、父親がそこまで順位に固執している様子もない。

長男は、担任の反対を押し切って西部校を受けて、無事に合格するのだが、あとは、ただ、授業をさぼり、女の子の家に行って遊んだりする。

次男は、学校でしたから9番目で、いじめられているというか、標的にされていて、家庭教師から喧嘩の仕方を教わりやり返す。最後は西部校に受かる。

母親は、家庭教師をいい男と言ったり、暴力は嫌だと言ったり、反応をしていくだけ。

彼らは何をしたいわけでもなく、様々なエピソードが挿入されていき、何を見ているのかわからない。そして最後には、合格祝いと、5人で食事を始めるのだが、どんどんと乱れていき、最後には家庭教師が全員を暴力で悶絶させてしまう。そして、机を持ち上げ全てをぐちゃぐちゃにする。理由はよくわからない。

そのあと、家族揃って無言で片付けるのだが、文句も、悲しみもない。ただ淡々と。

不気味な家族の半年を見てしまった。そんな感覚である。ギリシャの「籠の中の乙女」を思い出した。

家族の気持ち悪さとは、ここまでいけば、それだけで映画になってしまうのか。
Yuichi

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