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宮本から君へのakayukiのレビュー・感想・評価

宮本から君へ(2019年製作の映画)
4.2
主人公の宮本浩は両親に中野靖子と結婚すると報告する。詳しい事情を話さない二人、そこにはある悲劇が隠されていた…。新井英樹による原作漫画の実写化。

「宮本、よくやった!」
なかなかバイオレンスですが、そう言ってやりたくなる爽快さがありました。
悲劇を引き起こした相手への憎しみよりも自分の不甲斐なさによる憎しみが大きいのかもしれない、ただの自己満でしかないかもしれない。でもあれだけ感情のままに動くことに「生きてる」パワーが溢れてる。
それに決して自己満だけではない、靖子に対する揺るがない想いがある。自分以外は他人、その他人の一人を命がけでがむしゃらに愛する。
自分を抑え込んで生きがちな私には、そんな宮本の生き様全てが羨ましく映りました。

新井英樹さん原作で実写化された「愛しのアイリーン」に衝撃を受けた為、気になってた作品。本作もR15なだけあり生々しくバイオレンスな描写。
一生懸命今を生きるキャラクターにまたも感情を揺さぶられました。時系列の入れ替わりに少し混乱させられたのだけは難点、この辺り原作はどうなってるのか…。

メイン二人の演技に釘付け。
池松壮亮さん、どこまでも真っ向勝負なバカな宮本のその熱さに心打たれました。血だらけで情けない顔が最高に輝いてた。
蒼井優さん、感情のメーターを振り切り体当たりで演じていた靖子。場面によって顔が別人に変化するんですよ、本当に恐ろしい役者。
他にも個性派俳優を贅沢に登場させ、かなり見応えあり。

ドラマ版が原作の前半、映画が後半になってるようで。キャストも一緒ですしドラマも必ずや見たい。
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