アキラナウェイ

シンク・オア・スイム イチかバチか俺たちの夢のアキラナウェイのレビュー・感想・評価

3.2
同時期に「シンクロ・ダンディーズ」というテーマがモロ被りの作品があって、どっちがどっちかわからなくなる。

こちらがフランス産。
あちらがイギリス産。
何と、どちらも実在するスウェーデンの男子シンクロチームが世界選手権で成功を収める実話を基にしているらしく、元ネタまで一緒という奇跡。イギリス産もいつか観比べてみよう。

冴えないおじさん達が頑張る話って、古今東西、何故か好まれるテーマで。

90年代「フル・モンティ」がまず思い浮かぶし、職場や家庭で陰ながら練習しているシーンは同じく90年代の邦画「Shall we ダンス?」を彷彿とさせる。

うつ病を患い、会社を退職してから引きこもりがちなベルトラン(マチュー・アマルリック)は、地元の公営プールで募集していた男子シンクロチームに入会する。しかしメンバーは皆、家庭や仕事に問題のある中年男性ばかり。かつて女子シンクロ選手だったデルフィーヌの指導の元、彼らは世界選手権への出場を目指す事になるが—— 。

冒頭のナレーションが面白い。

□は○には入らない。

これはアレです。
子供の知育玩具で、○や□や△の形を合わせないと中に入れられない立方系パズルの事。

水着からお腹のお肉がはみ出ている様なおじさん達は、何をやっても上手くいかないというメタボ、じゃなくてメタファー。

鬱病、経営不信、離婚の危機、親の介護、子供との確執、諦めきれない夢…。
それぞれが抱える問題と彼らの猛特訓の様子が描かれる。

デルフィーヌもまたアルコール依存症の問題があり、コーチは途中で交代。後任の女性が鬼コーチで、指導方法も軍隊そのもの。

ただ、良くも悪くも期待値を超えなかったというのが、正直な感想。

世界選手権で驚きのパフォーマンスを見せてはくれるけど、あんなに下手くそだった彼らが基礎練習はめっちゃしていたけど、これっぽっちも痩せてもいない上でここまでやれるもんか!?

なーんて、野暮な事は思ったけど。
そこは映画ですから。
ごくんと飲み込んだ。

おじさん一人一人が、のっぴきならない事情を抱えながら、でっぷり突き出たお腹のトドの様な彼らが猛特訓の末に成し得た偉業。

おじさんが頑張る系って、必ずハッピーな気分にはなれるので、期待値は超えなくても、期待は裏切らない。



水着からお腹のお肉がーとか、
でっぷり突き出たお腹のトドの様なーとか。
散々言ったけど、お前はどうなんだと。

はい。
ダイエットを始めて1ヶ月と24日。
5.2kgマイナス。
目標10kgマイナス目指して、
おじさんは頑張る。
□が○に入る事はあるから。