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ボーダー 二つの世界の93n35i5のレビュー・感想・評価

ボーダー 二つの世界(2018年製作の映画)
4.0
人間と人外、男と女、善と悪、我々が存在する上での基盤となるべく要素の境界線とは一体どこにあり一体何であるのか。アイデンティティの追求と破壊。
肉体の異質さや特別な能力という点から非人間として描写されるティーナとヴォーレだが、彼等はそれぞれ優しさや復讐心というようなとても人間らしい感情を抱えている。私はそういう観点から彼等2人は人間であると思うし、この物語には人間しか出てこない。反面、幼児誘拐や児童ポルノ、それに携わる行為は限りなく非人道的でありモンスターだ。しかしヴォーレが復讐を燃やす気持ちもわからなくは無い。だから全ては観点の違いでしかないし、そもそも最初からこの世には観点しか無い。この作品のコンセプトでもある"ボーダー(境界線)"というのは我々がわざわざ作り出した線引きだ。個人がどの観点からどこに線を引くか、または引かないか。
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