世の中に生きづらさを感じている人は、自分が「本当にいるべき場所」に巡り合っていないからなのではないか。
そんな風に考えると夢があるし、目の前の厳しい現実も、少しはマシな気分で乗り越えられるかもしれません。
ティーナが期せずして「本当の居場所」と出会い、喜びと解放に全身を弾けさせながら森を駆け回るシーンには涙が溢れました。
しかし、新たな世界に触れることは、同時に新たな「闇」を知ることでもあるというのは厳しい現実。
この映画はティーナだけでなく、観客の価値観をグラグラと揺るがし、試してきます。
これまでの常識や価値判断がまったく通用しない世界に放り込まれて、その中で見たこともない景色に遭遇したり、内側から感じたことのない感情が湧き上がってきたりすることは、映画を観る喜びのひとつです。