このレビューはネタバレを含みます
ジョン・ウィックとロバート・マッコールが同時に映画館で観れるなんて、貴重な時代を生きています。世界の悪はこの2人だけで壊滅させられると思います。ことマッコールさんに関しては、ほとんど「悪」にも見えてくるので恐いのですが。
本作のオープニング。惨殺遺体が転がる先の後光差す王座に腰掛けたマッコールさん。その佇まいはどこからどう見ても悪役そのものです。
強烈な暴力表現と主人公が重傷を負う幕開け、やけに重々しい空気が善悪二元論から外れた深いところに踏み込むことを予感させるのですが…それはやがて裏切られます。
物語はわりと安定の着地というか、シリーズ通りの「正しい暴力で悪を排除する」という勧善懲悪ものでした。
別にそれで良いんです。マッコールさんという最強兵器による悪人成敗ショーが見せ場ですから。
そういう意味では、やけに深い物語を語らんとする雰囲気は余計だったのではないかと思ってしまいます。重くすればするほどマッコールさんの暴力を楽しめなくなるので、いっそ振り切ってしまった方が良いのではないでしょうか。
『THE FINAL』という邦題(原題はそのままThe Equalizer 3)も要らぬ想像をさせてしまうし、単にカッコ悪いのでやめて欲しいところです。