今年の映画館一本目。
なかなか強烈な作品からのスタート。
地元で公開してなくて2020年になってやっと観られた作品。
完全にミステリーだと思ってた。
特殊な嗅覚を持つティーナが犯罪を暴いていくような話と思ってた。
これはダークファンタジー、大人のお伽話。
おススメするには人を選ぶ作品。
虫がダメな人(食べますので)と妊婦、赤ちゃんがいる方は控えた方がいいかも。
面白かった…というか…衝撃というか…説明に困る。三度くらいハァァァ?!?!ってなりました
ネタバレします↓
まずティーナとヴォーレは醜いわけです。
その二人のキス、セックスシーンはどういう気持ちで観ていいかわからなくなった。
彼らの体のつくりや獣のような唸りもあって、混乱したまま眺めてたんですけど…
まずそこでルッキズムっていうんですか?その感覚が自分にあることを思い知らされた。綺麗事はどうとも言える。でも私の中に不快感があるってことを自覚させられてしまう。
彼らの独特な風貌は「トロル」だからでした。
ああ、なるほど、と思った。…いやー、私の頭のお手軽さ!なるほどだって!種族です人ではないです、と言われて納得してしまう。安心してしまう。
なるほどじゃないよ、同じ人間なら結局あんたどう思いながら観たんだよ…と自分に問いたい。
そんな二人のセックスを複雑な想いで眺めた後、その二人が互いに出会えた喜びに声をあげながら裸で森を駆けたり、湖に飛び込んでキャッキャする姿は、美しくもみえてしまった。
私のボーダーはどこだ。
都合のいいボーダーを持ってるもんだ。
…といった感じで、あらゆる部分でぶん回された気分になる。
ティーナとヴォーレの境界線、彼らと人間との境界線、観ている者の境界線を感じられる映画でした。
ラストは何となく想像通り。
おぞましさと切なさとお伽話の美しさを感じる、余韻の強く残る作品でした。
デルトロ監督が絶賛したのすごいわかる気がする。