ぶちゃ

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイのぶちゃのレビュー・感想・評価

3.0
富野由悠季の難解なというか、読みにくい文をきっちりと映像に落とし込み、近代的美少女にアップグレードされたギギなどの女性登場人物は魅力的。
上田麗奈のギギは声は最初あってないかと思ったけど、見てるうちにクェスっぽい無邪気にウザさをちゃんと感じてくるあたり良かった。

見るまで違和感しか感じなかった新Ξガンダムのデザインと、佐々木望から変えられたハサウェイの声は思ったより違和感なく、Ξガンダムは手のデザインが悪役的でカッコいい。

そして何より台詞回しが、ちゃんと富野由悠季なのが良い。
「散歩に行くのだが?」なんて、今時どんな映画見ても聞かない言い回しが素敵すぎる。

と、褒められる部分と逆に文句を言いたい部分もある、宇宙世紀モノなのに実銃FMG-9が割としっかり描写されてるのは違和感があるし、元ハサウェイ役の佐々木望に端役をあてがうのは嫌味っぽい。
今回は小説ベルトーチカチルドレンの続編ではなく、劇場版逆襲のシャアの続編として作られているのに、ハサウェイが初陣で一機撃墜したという逸話が何度も繰り返されるが、ベルトーチカチルドレンならαアジールをとしたことで功績だけど、逆シャア準拠ならギラドーガ一機、そんなのをケネスが何度も言うにはおかしい。
しかも、味方チェーンに逆ギレで殺しただけやろが...というのが印象的だったシーンなだけあって、そこ不問なところは今後伏線として生きてくるのかと心配。
チェーに対して何も思ってないような描き方なら、ハサウェイがサイコすぎてキャラクター造形がガラリと変わってしまう。

というか、そもそもクェスを殺めてしまったってのは登場人物像の根幹にある設定で、そこをオミットして大丈夫なのか?

原作の上巻に当たるところで、話がどう転ぶかまだわからないから、ちゃんと原作準拠の結末であって欲しいなと、原作大好きなだけにちょっとヒヤヒヤして、嫌な予感がピリリと感じている自分もいるから、この点数で。
ぶちゃ

ぶちゃ