【獣になれるか】
終始、陰湿な作品だった。
だが、自分自身が[知らないこと]が蓄積して、増大する"焦り"と"憎しみ"が伝わる作品だった。
女がいかにして、"獣になれるのか?"
人間の欲だけでは引き出せない力を、引き出した作品だと思った。
そして、市子の序盤から終盤にかけての、[優しいのだが、冷めた表情]。私が思うに、彼女は最初から"最悪な事態"を求めていたようにも見えた。そんな意味では、筒井さんのこの雰囲気は、賞賛されるべきである。
市川さんの基子の外からは見えない?ような奇妙さも、市子にとっての"餌"だったように見えた。
要するに、市子が"ライオン"で、基子が"シマウマ"なのだ。
そんな意味では、とても恐ろしいですが、楽観的にも観れる作品だ。
まさに、深田ワールドだった…。