このレビューはネタバレを含みます
健忘録
筒井真理子さん、
あなたに釘付けになりすぎて。
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主人公の市子は、訪問看護の仕事をしていて周囲からの信頼も厚い平凡な中年女性。
子連れの医師と結婚の話が進んでいる最中。
…だが、ある事件がきっかけで、
彼女の生活、人生、未来はみるみると崩れ落ちていく。
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きっかけはほんの些細なことかもしれない。
どこにでも“犯罪”の片鱗は落ちている。
被害者/加害者になることは、至って身近なことなんだ。
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市子は、これまで真っ当に生きてきた人間だが、復讐心に蝕まれた人間へと豹変する。
誰にだって起こり得ること。
市子の反対側のよこがお。
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市子を慕っていた訪問先の娘、基子。
好意の反対は、憎悪。
これも誰にだって起こり得ること。
基子の反対側のよこがお。
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社会的にも信用されている人間に「傷」がついてしまった時の周囲の絶望の眼差しは、恐ろしく冷ややかだ。
やはり誰にだって起こり得ること。
周囲の人の反対側のよこがお。
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深田監督は、大変疲れさせてくれる。
『淵に立つ』を観た時は、
得体の知れない存在の不気味さに恐怖心で雁字搦めにされ、
終わった時に背面の筋肉がガチガチに凝り固まっていたのを覚えている。
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今作は、次に何が起こるのか予測できるだけに、
観ながら想像する最悪の未来に対して
どうか起こらないでくれと懇願して疲弊し、
回避できたら救われて、起こってしまったら落胆して、
もうその二つを行ったり来たりで相当苦しかった。
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今回も大変疲れました、深田監督。
はらぺこになるほどに、すばらしすぎ。
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