kirito

任侠学園のkiritoのレビュー・感想・評価

任侠学園(2019年製作の映画)
3.3
【ありがとう】

生徒がヤクザの設定はまだあれど、学校経営をヤクザがするという絶対に交わらない要素が混じり合う異色のコメディ映画。
これがB級に止まらないのは「アウトレイジ」出演者が多数の上、まさかのVシネの「白竜」まで引っ張り出してきたからに他ならない。

監督は「屍人荘の殺人」「閉鎖病棟」と今波に乗ってる木村ひさし。

親分のせいで学校を立て直すになったのは暴力団だったというトンデモ設定。

高校生にありがちな悩みを「ごくせん」のヤンクミよろしく西島秀俊が体当たりでぶつかり心を開いていく。
やさぐれ→心変わりという王道パターンの詰め合わせであるため正直なところ連続ドラマ感が否めない。

とはいえ、ヤクザ側もそれぞれの役割を与えたのは見事で、生徒の方にもヤクザ側にも不要な人間がいなかった点は好感が持てる。
また何よりも西田敏行この方の締めるところは締めるという親分像が素晴らしく、長としてついて行きたくなるのもよくわかる。理想の上司ランキングの上位に来ると言ってもいいかもしれない。
彼が対峙するシーンはやはり空気が変わったように思える。

正直誰が黒幕かとか一番厄介な生徒はこいつだなってのが手にとるようにわかるし実際その通りの捻りのなさなのだけども、観れてしまう。

もう少し商店街活性化の観点からもうまく繋げられれば完全に11話の連ドラの出来上がりである。

気軽に手に取れる一作。
あと絶対撮影現場楽しかったはず。
かれーたべたい。

2020.7.8
kirito

kirito