メイマーツインズ

ロマンスドールのメイマーツインズのレビュー・感想・評価

ロマンスドール(2019年製作の映画)
4.1
《誰かを愛することは、やっかいで、幸せだ。》

原作・監督タナダユキ、高橋一生×蒼井優で描く美しくも儚い愛の物語。
Netflixにて。


最近、邦画が観たくなる。
理想と現実の壁に直面し、精神的に少し疲れてるのかもしれない。
だから今は日本人として、この日本における多種多様な人生に触れたくなる…
上質な映画を通じ、自分とは違う人生を擬似体験することで、人生観が広がり、心がリフレッシュされる。
そしてまた現実に向き合うことができるのだ。
そうやって、ずっと自分の人生観をアップデートしてきたように思う。
それだけ自分にとって映画の存在は大きい…。

これはある夫婦の”ほんとの愛〟をみつける10年間を描いた物語で、真剣に異性と向き合い、狂おしいほど異性を愛し、そしてその愛を失った経験があれば、深く心に沁み込んでくるに違いない。

高橋一生と蒼井優の熱演は素晴らしく、特に2人のベッドシーンは生々しいほどの愛を感じさせる。
これほどまでの哀しいベッドシーンはあまり記憶にない。
きたろう、ピエール瀧、渡辺えりといった個性派キャストの存在が作品を温かい空気で包みこむ。
自分には縁のないラブドールの世界を垣間見ることができて好奇心も満たされる。

タナダユキ監督作品は初めて。
愛の描き方がリアルでありながら繊細で、彼女の感性は自分には合っているようだ。
ちょっと心が疲れ、優しい愛に触れたい方にオススメしたい逸品です。