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イン・ザ・ハイツのSpicaのレビュー・感想・評価

イン・ザ・ハイツ(2021年製作の映画)
4.0
アブエラはいつも言っていた「小さなことが尊厳を保つ」と。

プエルトリコ、ドミニカ、メキシコなど中米からの移民が多く住むニューヨークのワシントンハイツを舞台としたミュージカルの映画化。

冒頭からノンストップ!セリフも動作も心地よいリズムに乗せられて、音楽と共に物語がテンポ良く進んでいく。ラップとメロディのバランスがちょうど良いからか、突然に延々と歌い上げるような不自然さも感じることなく、自然と体がリズムに揺れてしまい飽きることのない2時間強だった。バネッサの歌声がとても美しかったです。

振り返ってみると物語は至ってシンプル。大きな事件やドラマティックな展開は無いものの、人種差別、不法移民問題など彼らが毎日生きていく上で降り掛かってくる苦悩、そして未来への希望がとても分かりやすく描かれている。
子供が親の思いを引き継ぎ、そして親を追い越して、見たことのない新しい未来を築いていく。

レコードの傷の繰り返しの小さなシーンが何だか心に残る。

リズムと共に胸に響いてくる作品でした。
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