歩く肉

王様になれの歩く肉のレビュー・感想・評価

王様になれ(2019年製作の映画)
2.5
ピロウズ30周年記念という肩書きは立派だが、映画としてはなんともぬるい。
カメラマン志望だが、うだつの上がらない主人公が、ピロウズ好きな女性に出会い、夢を追いかけていく、というかなり定番な構成。
おそらく、音楽によって救われるという話をやりたかったんじゃないかなと思うけど、いかんせん、主人公がピロウズとの出会いによっての成長が何も感じられなくて、好きな人の好きなバンド以上の感情を彼から見出せなかった。女性の病いもちゃんと言及されていないから、なぜ後半で唐突に距離を取られなければいけないのかという必然性が何もなくて、全体的にタルい。

大好きな『ストレンジカメレオン』がフルで使われたのは嬉しいが、この歌には、この物語を推進させる力がある筈なのに、カバーとして歌われる上、ほぼライブ映像になっているのが勿体なすぎる。それがめちゃくちゃ心打つライブだったらまだしも、明らかに映画を停滞させているだけだったように思えた。
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