Gatt

Clemency(原題)のGattのレビュー・感想・評価

Clemency(原題)(2019年製作の映画)
3.9
サンダンス映画祭で審査員グランプリ受賞作。2019年当時は、主演のアルフレ・ウッダードの演技も話題でした。
3年を経て、U-nextで限定配信されてました。

先日観た「チョコレート」に死刑囚が出てきたので、clipしていたこの作品を鑑賞。

刑務所長バーナディンは、
死刑囚だけでなく、その弁護士、死刑に携わる職員、死刑囚の家族、被害者の家族、マスコミにも関わり、
所長としての責任を果たしている。
重圧から精神をすり減らし、不眠の日々。夫婦仲にも弊害が生じている。

終始重い雰囲気の中、ゆっくりと進みます。アルフレ・ウッダードの重責引きずる孤独な演技。顔面のアップもうまく多用され、静かに潜む表情を味わえます。

クレメンシー(clemency )とは、「寛大な措置・恩赦」のこと。
死刑囚ウッズは、殺人罪で判決を受けて刑務所で過ごしているが、主張も状況も冤罪に思え、弁護士から州へも恩赦が願い出られている。

死刑囚ウッズ役は、良作で見かけるオルディス・ホッジが演じていますが、これがとても素晴らしい。近づく執行日への恐れを、表情で見事に演じています。

死刑論に反対するつもりはありません。ただ、冤罪の可能性が残るからこそ、やるせない気持ちが残ります。
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