垂直落下式サミング

ゴーストバスターズ/アフターライフの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

3.0
まず、子供たちはかわいいね。テンション低めの頭いい女の子と、利発なバカっていうコンビが好きみたいだ。キッズかわいい。ガキはかわいいです。
僕があらすじも書かずにありきたりなところから褒める時は、あんま面白くなかったっていう。そういうわけです。
まずさあ、ポール・ラッドを顔芸要因だけで使うのは勿体ない。悪魔犬に追いかけられて、必死に駐車場にたどり着いて、自分の車のフロントガラス割れてるから素早く運転席に飛び込めましたはナイスユーモアだけど、すぐ見つかっちゃうのが惜しいですね。身を潜めて隠れていたら、思わぬところで物音を立ててしまってバレるみたいな、もうワンユーモアほしいところ。
どのギャグも単発で、一難去ってまた一難みたいな、ストーリーと絡めたネタの手数と緩急がないんすよね。
過去作の金ぴかの衣装やマシュマロマンを、特に物語上の必然性なくまた出しているのも気になった。トンチをきかせて出してくるならいいけど、別に意味なかったもんな。
悪いけど、掛け合いとかギャグ的な見せ場とか、同じリブートでもポール・フェイグ版のほうが数段うまかったよ。
ラストでは、騒動をおさめるためにいざバスターズ出動となるわけだけど、カメラが子供たちにフォーカスしすぎて全体像がみえなくなってるのもよくない。町がどうなっているのか、このままだと世界はどうなっていくのか、もう少しそっちをみせてくれないと。
町の人たちが、解き放たれたゴーストたちによって被害を受けているような描写があまりないまま、なんか敵の本拠地に乗り込んでいって母親を助けたら、あれよあれよと町外れの荒野屋敷で最終決戦が始まってしまうため、この世の終わり感の薄いショボい戦いにみえてしまう。もっと派手にアポカリプスってもらわないと困ります。
そのあとのオリジナルメンバー登場シーン。当然といえば当然だけどビル・マーレイたちが老いさらばえ過ぎていて、見事なヨボヨボっぷりで笑える。並ぶ超ジジイ3人ってオイ。全員あわせても余命一桁だろ(不謹慎)
そんななので、ハリソン・フォードがチューバッカをたずさえて出てきたときのような、震えるような感動は望めません。まあ、これは仕方ないけど。
格好つけずに棒立ちで突っ立ってるのが、バスターズらしくていいところではあるけど、全体的にちょっとファンムービーに寄りすぎなきらいはある。最後の最後で故ハロルド・ライミスが出てくるけど、となるとこの世界には「いいゴースト」と「わるいゴースト」が存在することになって、物語がややこしくなる。それに、あんなにイケおじだったっけか?親子かめはめ波は、ちょっと泣いたけどね。
家族のあれこれとか、キャストの追悼とか、わりと僕はどうでもよくて、バスターズがゴーストを退治して、みんなから褒められる場面がみたかったんですよね。それがあれば、他がダメでも百点だった。
オリジナルは、強大な敵を倒したバスターズが群衆から喝采を浴びる場面こそが最大の山場だったし、むしろ第一作目の一番面白いところはそこだったまである。
少し前の女性版ゴーストバスターズもそうだったけど、頑張って幽霊退治をしたのに、みんなに活躍が認知されていなくて、そこまで感謝されてる感がないのは不満でした。
ビル・マーレイたちがそうだったように、大活躍して時の人になってほしい。今風にいうとバズり散らかしてほしい。
しかも、今回は子供が主役のジュヴナイルキッズムービーなわけじゃないですか。なおさらだよ。もっと子供を褒めてあげなよ。