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ふたりの女のyusukepacinoのレビュー・感想・評価

ふたりの女(1960年製作の映画)
3.7
戦争映画は各国によって描かれ方や視点が変わってくると思うが本作はムッソリーニが幅を利かせていた当時のイタリアを舞台に、ある母子にスポットを当てた作品となっており女性と子供から見る戦争が主体なため戦闘は映らない。だからこそ戦時下における市民のリアルがそこにあるように感じた。
カラッとした前半部と苛烈になってくる後半部の対比があまりにも辛く、胸がつまり言葉が出てこない。しかもまだこれが今の時代にも繰り返されている事が許せない。
サバサバした強い女性のイメージ、ソフィア・ローレン。そんな女性に涙を流させる戦争が憎い。
ジャン=ポール・ベルモンドは地味で真面目な学生を徹底して演じていて目立たないが本作では功を奏している。
戦争によって失うものより得られるものはあるのだろうかと考えさせられる映画だった。
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