ナガタカエラ

貞子のナガタカエラのレビュー・感想・評価

貞子(2019年製作の映画)
2.6
日本ホラー映画界のクイーンと言っても過言ではない貞子シリーズの新作映画。
初代『リング』ではVHSビデオにまつわる呪いの物語であったが、今作ではweb動画にまつわる呪いの物語となっている。
本作、画面いっぱいに池田エライザちゃんがニットに身を包み大きな瞳をパチクリとさせながら怯える姿が大写しになる点は500億点だが、呪いの物語としては赤点である。
赤点の理由、1点目は呪いの仕組みがわからないこと。どうやったら呪いにかかるのか、どんな呪いなのか、という点。本編では主人公の弟である動画配信者が貞子の呪いにまつわる放火事件が起きた現場で動画撮影をしたところ呪われるという描写があるが、オリジナルシリーズの呪いの感染性、拡散性という恐ろしさの要素は皆無である。また、呪いの被害者である霊能者の娘と貞子との関係性も曖昧模糊としたまま物語は完結する。
2点目は呪いの回避方法が明らかにされないこと。
オリジナルシリーズではビデオをダビングして他者に見せることで回避されることが明らかになるが、今作では回避方法は明示されない。呪いを回避する方法を模索するのが呪いモノのホラー作品の物語の推進力のはずだが、その結論が用意されていないのは不完全燃焼としか言いようがない。
貞子ユニバースの別の世界線の話(MCUにおけるXMENとアベンジャーズのような)としておけば、呪いのギミックにそこまで注意をはらわずとも良かったのかもしれないが、本作ではオリジナルシリーズに登場した高校の卒業生が登場するのが致命的で、あのような呪いの惨劇があった世界であればオカルトファンの間で語り草になっているだろうし、池田エライザも弟の動画配信を繰り返し再生している場合ではなく、貞子でググレカス、ということになる。
池田エライザ可愛い、な一本でした!
ナガタカエラ

ナガタカエラ