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Kustom Kar Kommandos(原題)のTnTのネタバレレビュー・内容・結末

Kustom Kar Kommandos(原題)(1965年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

 ケネス・アンガー追悼。あの禍々しいアングラ世界に思い馳せ...。

 「スコピオ・ライジング」に次ぐマシーンフェチ、今作はバイクではなく車に。男性の同性愛者のフェチの対象としてのマシーン、いやそもそもマシーン自体に男性性があると言わんばかりに。ビカビカにメタリックでメロウな曲がかかるのはフェチ過多すぎて笑う笑。

 ただ今作、フォード社からの助成金があって成り立っているというのが業が深いというか(wikiより)。こんなアングラシーンまで車購買意欲のためになら金だすのかフォードは!でかい金のいいなりにしかなれないというのもまたアングラ作家の足元見られてるというか。ただケネス・アンガーもタイトルからもわかる通り、男性的であるという理由からくるK.K.K.への露骨な憧れ表明をしており、一筋縄ではいかない。アンガー、やっぱスピってるからか、平気でナチズムとかK.K.K.に接近してしまう(思えば今でこそ排斥されてきた同性愛の権利を認めようとする運動がある中、この時代の男性の同性愛はむしろ排他的であるというねじれがあるな)。無自覚ながら、対象に潜むフェティシズムをよくもわるくも体現しているのがアンガー作品。
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