LEE

燃えよ剣のLEEのレビュー・感想・評価

燃えよ剣(2021年製作の映画)
4.3
司馬遼太郎の同名小説の映画化
150分近い尺を全く感じさせない作品だった


新撰組の興亡を土方歳三の視点から描いた作品
新撰組自体大河ドラマになるほどの題材なので、いくら長尺とはいえ全体的にダイジェスト感は否めない
あと登場人物も多いので、ある程度人物名や出来事を事前に知っておかないと取り残される気はした(なので日本語字幕オンでの視聴がオススメ!
だけどそこさえ乗り越えることができたら、映画は長いけどテンポよく進んでいくので全く見るのは苦ではないし、結局新撰組の近藤、土方、沖田の三人を軸に描いているので見ていて話が散っている感じもなくまとまりのある作品になっている

個人的に面白かったのはカメラで、時代劇らしい落ち着いたショットが勿論多いんだけど時々奇抜なワーク(山南の切腹シーン)や、広角レンズをここで使うんだ…など色々と考えさせられた


そして岡田准一といえばアクション
本作は殺陣をしっかり見せる!というよりは見せたい出来事の中に斬り合いのパートがあるので殺陣をやるというイメージ
なのでアクションシーン自体は多いんだけど、一つ一つの量はそこまでなくて尻切れトンボで終わることも多い
だけどやっぱり散り椿の時のように単なる斬り合いで終わらないリアル嗜好の殺陣は興味深いし、日本家屋の狭さが面白く殺陣に作用していたようにも感じた


お金もしっかりかけていて画も立派だったし、こんな邦画をもっと見たいなと思わせてくれた良作でした
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