女性向けBL漫画作品の映画化。原作未読。
事前の想定と大きく異なるところが2点。
まず、関ジャニ∞の大倉忠義と成田陵のダブル主演というところで、雰囲気のみのふわっとしたBLものかと思っていたら、かなりドギツ目の性描写にまで踏み込んでいて結構ド肝を抜かれた。すげー俳優根性。
もう一点、BLものということでどうしても男同士の関係性に目が行くが、しっかり観てみると本作、BLというよりも恋愛そのものを描いている色が強いと感じた。
本作が恋愛というものの太宗を表しているとまで言うつもりはないが、恋愛のとある一領域について、あまり他作品にはないレベルでリアルに描き出していると思う。
言うなれば、恋愛の中でも特に「流される恋愛」「勢いでの恋愛」等の「正しくない恋愛」、この力学についてかなり正確無比に表現しているように感じた。
正しくない恋愛につき、観ている我々も「あ~あ、そっち行っちゃったか〜」とか思うんだけれど、そもそも我々も正しくない恋愛に身に覚えがある(はず)し「さっきはあんな風に言っちゃったけど、まぁ実際気持ちはわかるよ」みたいな心持ちになる向きも多いのでは。
もっと言うと、正しい恋愛なんかよりも正しくない恋愛のほうが明らかにエモいし煌めきが多いわけで、そういう意味では結構本質に近い意味での「恋愛映画」とも言えると思う。
そんなに期待してなかったけど、予想を大幅に上回る作品だった。