主役の2人の佇まいだの、演技も合わせて、よかったですよね。
恭一みたいな人って結構いそうな気がするんですよね。
女に対して、自分から何の深淵も覗かない奴。だから誰がパートナーになっても同じことの繰り返し。
今ヶ瀬は、恭一の心を捉えたようで、それは全く不確かなもの。
自分に心を寄せてくれてるから興味を持つ恭一の特性は、ゆらゆらと揺れ動く。そこを今ヶ瀬は掴むこともあれば、逆に跳ね返してもいる。
何とも不安定な2人の関係だけど、最初はゲイを拒否していた恭一に変化が訪れたのも、それまでの交際にはない繋がりを感じたからではなかったか。
ただひたすらに恭一を請い願う今ヶ瀬も、駆け引きの末に結局恭一には抗えない。
恭一にとって、同じように恭一を慕う女たちと、今ヶ瀬との違いはなんなんだろう。
言葉にできない、理由も説明できない関係は、くっつき離れながら、どこに行くのだろう。
そんなファジーな描写を見事に描きました。
