やや

フォードvsフェラーリのややのネタバレレビュー・内容・結末

フォードvsフェラーリ(2019年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

「全てのコースを完璧には走れない」
「だが挑戦はできる」

スタントを使っているシーンはすぐわかったりするものだけど、これはまるで本当にケンが時速320kmで運転しているかのよう。そんなわけないよね?どうやって撮っているのかわからない。それだけ本当に見せ方が上手い。
レースシーンは長いけれど飽きずに見れたし、BGMもシンプルながら静かに緊迫感をもってレースを盛り上げてくれる。
車を知らない私でも否が応でもワクワクできた。

タイトルに反して意外とフェラーリ側は出てこないし、敵は身内にありという感じ。
でも最低限フェラーリの人が出てきたことで逆に強く印象に残ったのもあるし、レースカーを作るきっかけの説得力にもなっていた。


死と隣り合わせの世界。
フラグらしきものがあちこちにあって、レース中に事故で亡くなるんじゃないかと不安に感じていたら無事にゴール。
優勝が奪われてモヤモヤEND?と思ったら次回は倒すぞ、と肩を組む2人の背中。うん、これはこれで。
…なんて安心していたらラストで車に乗り出したから「これ死なないよね?もう車に乗らないでやめてーー!!」と祈りながら………完………。

「レースが終わってから死ぬ意味は?」
「死なない方が個人的に評価は高かったなぁ」
と呆けながらも検索してみたらなんと全て実話。なんてこった。
「どうして死んだの?次のレースも出てほしかった」という行き場のない気持ちは現実に起こった出来事によるものだったなんて…あまりにも切ない。

ほぼ実話でここまで気持ちを昂らせてくれる、役者も映像も素晴らしく完成度が高い作品は初めて観た。とても良かったなぁ。
やや

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