千年女優

DUNE/デューン 砂の惑星の千年女優のレビュー・感想・評価

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)
3.5
人が発展させた科学と精神で帝国を築き宇宙を支配する遥か未来。皇帝の命により万能スパイス「メランジ」の産地である砂の惑星デューンの管理を任された名家のアトレイデス家。超能力を持つ女性種族ベネ・ゲセリットの母から予知能力を授かった後継者ポール・アトレイデスが、新天地で様々な陰謀に巻き込まれる様を描いたSF映画です。

SF文学のクラシックであるフランク・ハーバートの小説を原作とする作品で、その壮大かつ複雑な物語世界故に、アレハンドロ・ホドロフスキーが完成にすら至らず、デイヴィッド・リンチが失敗した難題へと『メッセージ』や『ブレードランナー2049』らのSF映画を成功させたドゥニ・ヴィルヌーヴがティモシー・シャラメ主演で臨みました。

原作の精神世界描写もありファンタジー色の強い作品ですが、同じスペースオペラでも『スターウォーズ』らとはまた違う名家が主役の貴種流離譚と格調高く、それがヴィルヌーヴの資質とマッチして壮大な世界観と映像美で圧倒します。反面スペースオペラらしい溌剌としたワクワク感には乏しいですが二部作の後編に期待持たせる一作です。
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