Eirain

DUNE/デューン 砂の惑星のEirainのレビュー・感想・評価

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)
3.4
原作は、フランク・ハーバートの長編SF小説。アレハンドロ・ホドロフスキー、デイヴィッド・リンチ、2人の名監督を失意に陥れたこのSF大河。今回映画化に挑戦したのは、『メッセージ』、『ブレードランナー2049』で、SFの世界観描写を如何なく魅せたドゥニ・ヴィルヌーヴ。

ストーリーの展開は、細かい設定やエピソードの違いはあるものの、概ね原作どおり。原作では、続編を読まなければよく分からなかった、皇帝がハルコンネン家からアトレイデス家へ惑星アラキスの管理権を移した思惑がちゃんと説明されているので親切設計。惑星学者リエト・カインズが黒人女性になっていたのには驚き。これといって変更した意味を見出せず、所謂「ポリコレ」の風潮かと、あまり良い印象はなかった。

壮大なSF世界観描写は評判どおりに素晴らしかったが、戦闘シーンは意外にも血沸き肉躍るような盛り上がるものではなかった。(まあ、ハルコンネン家がアトレイデス家を襲撃するシーンは、原作でもあっけなく制圧されてしまい、そこまで盛り上がるものでもないのだが。)おそらくPart2で描かれるであろう、フレメン軍を率いてハルコンネン家に逆襲するシーンは、もっと盛り上がることを期待したい。

総じて、良い映画化作品だったが、思った以上に感銘を受けることは無かった。映画化にあたっての改変に不満があったという感じではなく、まああの原作を映画化したらこんなものかと、納得しているところ。
Eirain

Eirain