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GOZEN 純恋の剣のせのレビュー・感想・評価

GOZEN 純恋の剣(2019年製作の映画)
1.0
※「シグルイ」が好きでこの映画に興味を持った、強いて言えば仮面ライダーもそこそこ好き。
2.5次元舞台は好きなコンテンツでやる場合のみ映像化されたものを見る。
というスタンスの人が書いている文だと理解してもらえると幸いです。※

話はめちゃくちゃ普通なのにツッコミ所の多い作品だった。
序盤の殺陣が良いのに試合内容はほぼ全く描かれないため、アクションが出来る俳優をこれだけ集めた意味が死に体。
あと唐突な先生の恋、伏線はポスターのみ!はおかしいおかしい。

そして残りの試合の話は舞台に続く、で終わってしまった。
企画の趣旨は分かるが、それにしたって第一弾は舞台公演→舞台映像化→映画公開って順番の方が新規は入りやすいのではなかろうか。
よほど都会に住んでる人でない限り、舞台に足を運ぶって結構ハードルが高い事なんですよ。
映画の出来がもっと良かったらそれでも行きたいってなるだろうけど、これだと結局舞台のファンしか来ないと思うの。

でもそれらの要素は笑って受け入れられる程度のものだった。
どうしても看過できなかったのは、どう見ても『駿河城御前試合』の「無明逆流れ」と「虎眼流・流れ星」だろという技が出てくる点である。少なくとも非常に類似はしていた。
しかし劇中での使用者は元ネタと全然違う人で技名の紹介もなく、クレジットやHPに『駿河城…』の記載もない。
そしてそれらはポッと出の映画オリジナル新技・鎌風に1発で倒されてしまうのだ。
リスペクトも何もあったもんじゃない。

製作者は舞台は裏日本に変えたし話の主軸もオリジナルであるから問題ない!これはオマージュです!『駿河城…』は原案にすらしてません!と言うのだろうか?
同じ「御前試合」を冠した作品の、人気登場人物の、しかも剣士の、アイデンティティとも言える必殺技を堂々とパクっておいて?
それは創作によって稼いでいる会社の行為としてはあまりに不誠実だろう。
金田○少年かよ。

正直、今回の事で東映という会社自体を見損なった。
他のネタも他の「御前試合」を扱った作品から持ってきていてもおかしくないと感じるし、今後も東映の作品を見る際にはこういう前例のある会社だとどうしても意識してしまうと思う。
このまま印象が変わらなければ、そのうち仮面ライダーも嫌いになってしまうかもしれない。
非常に残念だ。

今年、また「ムビ×ステ」企画の作品が2作世に出るらしい。(映画と舞台を別カウントにするなら4作)
つまり今作はそこそこ評価されたのであろう。こんな状態だったけど。
もう同じ間違いは犯さないはずだと信じたい。
せ