rosechocolat

シノニムズのrosechocolatのレビュー・感想・評価

シノニムズ(2019年製作の映画)
1.7
フランス映画祭2019にて

よくないなーと思った作品を、無理やり褒められない性格なので、辛口御免。

基本的に、鑑賞後に詳しい解説が必要な映画はダメだと思ってて、悪いんだけどこれもそう。監督の自伝に基づくということでしたが、ご自身の経験が溢れるあまりに映像として捉え切れてない印象。結果として、自分の頭の中では全てわかっているのに、観客には伝わっていない。日本人にはシオニズムは遠い話なだけに、断片的でもいいから流れは欲しかったが、特化したものもないために見終わった後に完結した感覚がない。

断片的なと書いたが、断片的なものはあることはあるが、流れがないだけに前後から推測しなければならず、また推測しても繋がらないので観ていてかなり苦痛でした。時計とにらめっこした作品って久しぶり。

ヨアヴの帰化の理由、フランスでの心境の変化などを、出会った2人の男女を交えて描きたいのはわかるんですが、そこに付け足し付け足しで他のエピソードが入り、またそれらに一切の説明もないので、肝心のヨアヴの心境がなかなか見えてこない。彼は哀れな身の上を克服すべく奮闘するのか、あるいはそれに耐え切れず狂気にしか生きられないのか。どちらかに振れば物語として成立したかもしれませんが、そこは監督の信念でこうなったのでしょう。

拍手してた人もいましたが、正直結構厳しいよね。ヨアヴの全裸シーンがかなりの時間多かったのに、女性が一切脱いでいなかったのは契約の関係でしょうか。なんか不思議。申し訳ないのですが、何故これが金熊賞を取ったのかは私にはわかりませんでした。
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