映画好き

システム・クラッシャー/システム・クラッシャー 家に帰りたいの映画好きのレビュー・感想・評価

4.3
30年前まで渋谷の宮益坂上がったところの企業に勤めていた。
青山通りもすぐのところ。
で、上映館がまさに毎日通ったルートのすぐ先だったのでなんと言うかデジャヴでクラクラした。全く変わらずにあるお店もあればあれれ⁇こんなお店になったの?と言うのもあり。青山通りの帽子屋さんが潰れてた😢などなどちょっと普通じゃない気持ちになったところに
シアター自体がまたまた渋谷?と言う感じのチョー狭くてアンダーグラウンドの感じのところで頭ぐらぐら。
場所と時代がマーブルになって
そのまま鑑賞。

この映画!なんと言ったら良いのか。
頭ぐらぐらのせいばかりじゃ無くて
表現が…難しい。
ベニーの凄まじさ。
普段は結構素直だったり理解力があるのに
キレて暴れ出すと歯止めが効かなくなる。
施設関係の大人たちはとても優しく理解があり、ベニーのことを心底心配し、世話をしようとするが、近づきすぎると大人たちも自分がわからなくなってしまう。
「僕ならなんとか出来ると驕った気持ちでいた」と言う言葉に突き刺された。
なんとか、出来ない。
きれいごとや愛情で解決するのは難しい、現実。
ベニーの孤独感、やるせ無さに身悶えするが!どうすることもできない。
でも一番泣いたのはベニーと同調するところでは無く
煮詰まってしまって何も解決できなくて、「あのクソ女!」と泣き出す職員の気持ち。
一緒に泣けた。
ベニーが愛しくて、私も手を差し伸べたいけれど、それは驕った気持ち。
物語の様にはいかない。

ベニーはどうするのだろう。
どうなるのだろう?

帰り道は勤めていた企業がものすごーい立派な畏れ多いビルにリニューアルされていて、なんだか哀しい気持ちになってしまった。

なぜだろう。

とにかく物凄く旅をした気分になった。
映画好き

映画好き