システム・クラッシャー 家に帰りたいの作品情報・感想・評価

「システム・クラッシャー 家に帰りたい」に投稿された感想・評価

ドイツ映画祭に惹かれて観に行った。期待してたけどそれよりも良かった。というかしんどい。
ラジ・リ版『レ・ミゼラブル』のラストの先を描きながらも、同じ結論に戻ってしまったかのような。
ベニーが生きることのできる場所はどこなのだろうか。
彼女に病名をつけて鎮痛剤ぶち込んで施設で隔離することが正解かどうかは疑わしいとわかるが、かと言って自然やアフリカみたいな非日常に連れて行って遊ばせるのも結局は手を変え品を変え彼女を学校や施設といった「システム」に包摂するに過ぎないと気付いてからは、通学の付き添い人の彼の姿がしんどい。
脚本は非常に単純で、序盤で「ベニーが母親と共に生きる」ことが目的として提示される。しかしそこにたどり着くのがいかに困難か。
中盤でその願いが叶う可能性がほぼなくなる場面。ここで思わず施設の人が泣き崩れてしまうのだが、このシーンが辛いのは、単に母がベニーから離れてしまうことではなくて、「家族」という共同体を維持することの困難さが伝わってくるから。
ベニーとミヒャが序盤で交わす視線のやり取りが、クライマックスで遂に途切れてしまう瞬間の映画的感動。凄かった。傑作。
ドイツ映画祭にて。
EUフィルムデーズですでに絶賛の声を聞いており、行きたかったんだけど見逃していた今作。とても大好きな作品でした。

主人公ベニーの演技が強烈。最初ドキュメンタリーかと思ったくらい。かわいくて、凶暴で、やさしくて、切ない。

今作の後『この茫漠たる荒野で』(Netflix)でトム・ハンクスと共演してるみたいなので、早くチェックしたい。

出てくる子どもたちはみんな素晴らしかった。一緒にスケートする男の子の顔が、あの役をするための理想の顔をしていた。主人公に次いで印象に残ってる。あと弟もよかった。

ベニーを守ろうとする大人たちもいいんだよね。悪い人はいない。けどベニーの環境はなかなか改善されない…

ママへの愛は月までの距離くらい。アイスクリームよりもポテトフライよりも好きってママへの歌が泣ける。そしてポテトフライのTシャツかわいすぎ。

・やまびこ
・赤ちゃん
・犬
・恐竜のぬいぐるみ

今年のドイツ映画祭は『悪は存在せず』と今作と傑作が多い。どちらも早く公開してほしい。
みゅー

みゅーの感想・評価

4.0
ドイツ映画祭にて鑑賞。

これはすごい。
何がすごいって観終わった後の疲労感。
ただ座って観ていただけなのに、ドッと疲れてしまった。

というのも、主演の子役がすごかった。
かなりの頻度で発狂、暴力と暴言の嵐。
最初思わず、男の子だっけ?と思ってしまうほどの暴れん坊。

ただ、それも愛情が欲しいだけなんだなと思うと悲しい。
母親が大好きで、もっと自分のことを想ってほしいだけ。
なのに、それが結局満たされない。
だから、また暴れてしまう。

周りの人になついたりして、でもそこからの依存がすごいから対応方法を考えなければいけなくなってしまう。
そういった意味で、家族からの無償の愛ってなくてはならないものなんだと改めて実感させられた。

終わりは若干モヤモヤ。
一瞬、『ミッドナイトスワン』の途中の某シーン的なものを想像したけど、、違うかな。


それにしても演技がすごかった!
観客を疲れさせるあの発狂ぶり…これは拍手。
ねこ

ねこの感想・評価

5.0
人生は続く。
死ぬほどえぐられた。
わかりみがやば過ぎてずっと号泣していたため、頭痛い。
劇場公開しましょう!!!!!
mi

miの感想・評価

3.6
癇癪持ちでストレスとトラウマで暴れまくるベニー。愛が欲しいだけなのに彼女を拘束する全てのものに抵抗して反発した結果がどんどん悪くなる。子役の演技が凄くて2時間見守っていたけど、正面から向き合おうとする大人達が憔悴しきるのはかなりしんどい。映画は社会から零れ落ちてしまいそうな子供達を助けるシステムに(日本でいう養護施設や里親制度のような)ついてなのだが、それをぶち壊していくベニーのパワーが凄すぎる。タイトル通りです。

ミヒャとベニーが手を握り合うシーンは泣いちゃいました。彼女が愛に包まれますように。
sasha2022

sasha2022の感想・評価

5.0
今年のマイベスト更新!!最高!破壊力がありながら、まさかこんなに切ないとは、、ベニーが叫ぶ度にヘビメタが骨まで響く。マーママママママーマ!母を呼ぶ声が耳から離れない。。ルールやシステムなんてクソ喰らえ!ぜんぶ壊してしまえ💥誰も私を愛してくれないなら。。プロもお手上げ状態。80件くらい回復施設への入居を断られ、精神病院へ入れられそうになるほど行く先々でカオスを生み出し、トラブルを起こす。
トラブルというレベルじゃなかったけどw まさに破壊!怪我人続出😱みたいな。まさに"システムクラッシャーガール"。ヘレナベンゲルの怪演がやばい。9割が叫び散らす役なんだけどこれはもう子役の粋を超えてる。。
でもそれも全部"愛が欲しい"という悲痛な叫びから来ていて、特にミヒャにパパになってくれる?奥さんと赤ちゃんを殺せばミヒャはベニーのパパになるね、とこは泣きました。。アイスリンクはめっちゃヒヤヒヤした💦モンスターキッズ×アイスリンクは最凶説。暴力は愛の不足の裏返し。強烈な表現で子育てには絶対に親の愛が必要不可欠なことを教えてくれる。音楽も役者も脚本もテーマも全てが心を奪う素晴らしい作品。
主役の子の演技が凄まじい…。

山彦のシーン。
相談員が泣き崩れてベニーが慰めるシーン。
スケート場のシーン。
赤ちゃんをあやすシーン。
てるる

てるるの感想・評価

4.3
映画で観る世界。
今日はしごした4本全部違う国の映画。

1本目はドイツ映画祭2021にてドイツ映画。

幼い頃のトラウマをきっかけに手のつけられない暴れ者になり、数々の施設を追い出された女の子ベニー。
彼女はただ母親のもとに帰りたいだけなのに…。

ロッタちゃんみたいな映画かと思ったらこの娘、予想を遥かに超えてた。
とにかくすぐにブチ切れ、暴言・暴力が止まらない!

加えて主役の子の演技が凄まじい。
本気の絶叫に本気の暴れっぷり。
それでいてふと鋭い目付きで大人をも見透かす。

こう書くとモンスターキッズみたいだけど、歳相応の無邪気なところや可愛らしいところもある。

なんなら根は優しいいい子なのが垣間見える瞬間も。
ベニーが心を許す数少ないおばちゃんが泣き崩れた時の対応とか涙出た。

彼女に足りないのは母親の愛情。
誰が見ても明確に分かるのに解決出来ない。
母親がホントにクソ。
逃げ出した時は本気で腸が煮えくり返った。

救いなのはベニーの対応に匙を投げてる大人がいる反面、彼女のことを本気で救いたいと考えてる大人達もいること。

救世主然としたミヒャとの森の生活は笑いもありつつほっこり。
戻った時のダッコちゃん人形になってるの切ないけど笑った。

衝撃的なシーンも結構あって、スケート場のくだりは震えた。

ラストは若干モヤる感じなんだけど、ああいう落とし所しか無かったんだろうか。
正直、かなり良い方向かとんでもなく悪い方向にいくのかと想像してたので、ある意味あれで良かったのかもしれない。

日本で子供と関わるの仕事をしてる人には観て欲しいし、感想とか聞いてみたいです。

それにしても主演の子、要注目すぎる。
いやー、今年ベストはこの作品に決まりかも
ネットフリックス配信予定映画一覧をなんとなーく眺めて監督の名前で掘っていったら偶然発見して偶然上映が決まってたというミラクル
作品描写的に一般公開もソフト化もされないんじゃ?というまさに運命の出会いでした

ググって見つけた有名ブロガーさんのレビューでは『フロリダ・プロジェクト』『万引き家族』を例に出して社会問題としての視点で語っていたが、「いやこれはそれどころじゃないんじゃ…」と
引用すべきは『アギーレ 神の怒り』『シュトロツェクの不思議な旅』『カスパー・ハウザーの謎』なんじゃないか?!

社会問題を軽視するわけでも後者の方が高尚であると言いたいわけではないが、この作品の視点はもっと根本的なその部分にあるように思えてならない
この少女ほど深刻ではなくても、誰しもが抱えるこれこそが本作が伝え得ることじゃないだろうか?

あと一回上映があるようなので偶然このレビューを見た方がいたら是非観に行ってほしい
hr04

hr04の感想・評価

3.7
子役の子の演技がすごい

八方塞がり感しかないのは、しんどいね
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