回想シーンでご飯3杯いける

君こそがすべての回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

君こそがすべて(2016年製作の映画)
4.3
この映画はメキシコではなくトルコで製作されたものと思われる。現地のポスターにはカラフルな髪が印象的な少女が写っていて、とてもポップな印象を与える。

別れた元カノが赤ん坊を連れて突然現れ、「あなたの娘よ」と押し付けたまま失踪してしまう。そこから始まるシングル・ファーザーの奮戦記。父親の職業が映画のスタントマンという事で、撮影現場のシーンが多いのも特徴。インド映画に通じる映画愛を感じる。

女性に比べて、妊娠期間が無い男はただでさえ父親になる覚悟が希薄になりがち。しかも、本作では突然赤ん坊を連れてこられたのだから、毎日が覚悟と決断の連続だ。その綱渡りのような生活と、スタントという命懸けの仕事を、比喩として対比させた脚本がとても良い。やがて娘は成長し、後半では親権絡みの裁判となるが、主人公の親友である映画監督を始め、脇役も魅力溢れる人が多く、笑って泣ける作品に仕上がっている。

今までに観たトルコ映画同様、本作も終盤の大胆なストーリー展開が凄かった。派手という意味ではなく、作品内に散りばめられた伏線の拾い方、あるいは敢えてのミスリード等、観客の感情を巧みに揺さぶってくる。

是非、多くの人に観てもらいたいので、とりあえずFilmarksにサムネイル掲載をお願いしておいた、さて、どうなるか。