かっこ

赤い闇 スターリンの冷たい大地でのかっこのレビュー・感想・評価

3.5
イギリスの若手記者が、ソ連躍進の謎を解き明かすため、単身ソヴィエト領ウクライナに乗り込むスリラー。
題材になった記者は実在するので、一応ノンフィクションらしい。

メインは、ジョーンズが単身乗り込んだウクライナでの決死の取材(放浪?)。
記者としての行動力、そして人間としての生命力がすごい。
人為的飢餓、ホロドモールというワードを新たに学びました。まさにこの世の地獄。
確かに、世界恐慌の時代に進歩を遂げるには…と考えると、理論上は理解できなくもない。
しかし、倫理の壁を乗り越えてそれを実行し、周囲も認めざるを得なくなるというのが独裁の恐ろしさよ。
ジョーンズが必死に告発しても、ロイド・ジョージなんかは「そんなこと言ったってしょうがないじゃないか」状態なのが時代を感じて悲しい。

サスペンスフルなソ連暗部との攻防、エイダとの切ないロマンス、ホラーチックなウクライナ放浪、政治も絡む必死の告発劇、さらにはドラマチックなジョージ・オーウェルとの交流。
色々な要素が盛りだくさん過ぎて?なんだか淡々と鑑賞してしまった印象。
もっと盛り上がりがある方が映画的には面白そう…その方が多くの人にホロドモールを観てもらえる…でも現実とかけ離れてはいけない…とモヤモヤ。
うーん、自分は好きです。『動物農場』読み返そう。
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