このレビューはネタバレを含みます
真実を暴こうとする1人の青年と、
真実を隠そうとする1人の男の物語。
前半は一見、普通のジャーナリストのストーリーだが、後半一気に急変する。
色彩もモノトーンな色調になり、
途端に雰囲気がガラッと変わる。
コートよりも一切れのパンの方が価値が高く、
実の兄の肉でさえも食料にする世界。
その地獄を生み出したものが、
他でもない同じ人間だと思うと、
とてもやりきれなく、胸が苦しくなる。
世渡りをうまく長生きするのが正しいのか、
不器用な正義で儚く散ることが正しいのか、
色々と考えさせられる作品。