メイマーツインズ

赤い闇 スターリンの冷たい大地でのメイマーツインズのレビュー・感想・評価

4.0
《皆、狂うほどに飢えている》

1930年代、決死の取材でスターリン時代のソ連の真実を暴いたイギリス人ジャーナリストの実話物語。
WOWOWで初鑑賞。


”ホロドモール〟。

日本人にはあまり聞き慣れない言葉…。自分も初めて知った。
1930年代にソ連時代のウクライナで起きた大飢饉で、数百万人が死亡したといわれる悲劇のこと。
当時ソ連は急速な工業化を目指していて、外貨獲得のために農産物の過剰な輸出を行っていた。ウクライナの農民たちは搾取され、悪天候で不作も重なり、餓死者が続出。
樹皮や雑草、動物の死骸、そして人肉まで…(汗)
なんと自らの子供をも食べたという話も残っているという。
なんという悲劇だ…
今作での描写が生々しく、心が痛む。


英国人ジャーナリスト・ジョーンズを演じるジェームズ・ノートン。
ロシアンマフィアを題材にした海外ドラマ”マクマフィア〟は、ジェームズ・ノートンの奥深い存在感が光りとても惹かれるドラマだった。彼からJ.F.ケネディの雰囲気を感じるのもいい!
そんなジェームズ・ノートン主演ということで鑑賞した作品だったけど、なかなか骨太で演出にもこだわりを感じる秀作。
”ウクライナの悲劇〟。人類が忘れてならない20世紀の負の歴史がここにも…