風来坊

屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカの風来坊のレビュー・感想・評価

3.0
独特の映像表現でドイツの鬼才と言われているファティ・アキン監督作品。
本作は実際に1970年代にドイツで起きた殺人事件でドイツを震撼させた殺人鬼フリッツ・ホンカの生涯を描いています。

監督自身も子供の頃に悪い事をすると「悪い事をするとホンカが来るぞ」と脅かされたそうでドイツでは有名なシリアルキラーだったそう。
この人の作品は「女は二度決断する」「消えた声がその名を呼ぶ」を観ましたが、どちらも私には合わなかったので本作もどうかなと思っていました。

実際のフリッツ・ホンカの写真を見ましたが、独特な顔立ちだとは思うものの映画ほど特徴的な醜男って訳ではなかった。
実際、こよなく通っていたバーでも、居たのか居なかったのか分からないと言われるほど、目立たず没個性の塊だったらしいのでこの辺は盛りましたね。(本作ではバーの人達にそこそこ認知されてます)

本作は特殊メイクでホンカに寄せていて、中の人はヨナス・ダスラーさんというイケメンなので所々でイケメンと育ちの良さが出てしまっている(笑)
差別問題とか色々あって難しかったと思うのですが、そこはリアルにこだわるという監督さんだけに、本物の不細工を起用して欲しかったと不細工な私は思います(^o^;)

そんな本物は起用出来なかった監督ですが、ホンカの病的な性格と劣悪な生活環境は非常に気持ち悪くなるほどリアルに描いています。
よく事件が起きると関係者へのインタビューで「こんな事をするとは思えない普通の人でした」とコメントがよくあるが、ホンカに関してはこういう事する人に間違いなく見える卑屈さというか異常性が出てしまっている。

まあとにかくホンカが気持ち悪い作品で、行き当たりばったりの犯行を淡々と描いています。
とても気持ち悪く残虐性に満ちており不快な作品なので、好き嫌いがハッキリ分かれる作品と思います。
私は興味深さよりも不快さが勝ってしまいイマイチと感じてしまいました…。

まとめの一言
「ウジの雨🤮」
風来坊

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