影屋れい

屋根裏の殺人鬼フリッツ・ホンカの影屋れいのレビュー・感想・評価

3.0
『こんばんはマダム』
実在した殺人鬼フリッツ・ホンカを描いた作品。
フリッツ・ホンカ、彼がどうして殺人鬼になったのか、どのような人生を送ってこうなるに至ったか等は作中では描かれていない。そのお陰でこの醜悪な男に対して同情も憐憫も持つことは一切無いのが救い。

フリッツはただただ情欲のみを求める醜い肉の塊。
若い肉を求めるも己自身に自信が持てず、弱く年老いた女性にばかり狙いを定め、情欲を満たそうとする。
しかし、性的なコンプレックスを保つが故に上手くいかず、怒りを爆発させ殺害に至る。なんと身勝手で醜い存在か。おぞましく吐き気がする。己の欲望のみで行動する愚か者を冷静に観察することが出来る作品だ。
影屋れい

影屋れい