かがわ

イエスタデイのかがわのレビュー・感想・評価

イエスタデイ(2019年製作の映画)
3.4
まず言えることは、ビートルズについて、「なんか良いよね。みんな知ってるし」
っていう感想しかないような人達が楽しんでる時点でこの映画は大成功なんじゃないかなと。逆に言えばこの映画はそんな人しか楽しめないのでは。ビートルズという言葉ひとつで一人で喋れること(それは知識のみならず)が多ければ多いほどモヤモヤが残る。

脚本のキャラクターの素敵さは言うまでもない(特にロッキー。)
エドシーランは、自身の音楽へのスタンスがメタチックに間違って伝わってしまうことを危惧しなかったのかなと少し思った。

全体的にここを見て!という映画では無く、綺麗に魅力を地ならしした感じ。

結果、期待してたけど、そこまででした。

ガッカリポイントとしましては、
「僕が64になったら〜」のくだりから、そのラインの曲が出てくると思いきや、誰でも知ってる名曲をワンコーラスのみが多かった。

さらに1番の問題は主人公がそこまでビートルズが好きじゃないこと!ここ大事!

ストロベリーフィールズや、ペニーレインなど、モデルがあるものを出したりしてましたが、ビートルズがすごいのは、彼らの音楽と、さらにはそれに救われた個人的な経験が万人にあるっていうことだと思うんです。(だからこそ冒頭でなかなか響かないレットイットビーのところとかはうまいなぁと思ってるんですけど)

主人公にとってビートルズがどう響いて、それを聴いた変化後の世界はどう変わるのか。音楽という媒体をショービジネスの典型的な型にはめ込んで混同してい描いているからなかなか芯の部分が描けてない気がする。
個人的な個々のストーリーにビートルズがどう関わって行ったかというところをもっと深く描いて欲しかったなー。

ビートルズがやっぱりただのアイコンになってた気がするっちゅう話です。そう。音楽映画としてのイエスタデイが見たかったんだな。おらは。



あと、
エドシーランの前座がモスクワじゃなくてパリとかだったらMichelle とかになってたかなとか思ったりした。
かがわ

かがわ