リミナ

イエスタデイのリミナのネタバレレビュー・内容・結末

イエスタデイ(2019年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

良い音楽は時代や国を越えて愛される、でもどんなに曲自体が良くても他人の耳まで届かなければひっそりと影を潜めてしまう。
そのためにも制作スタッフや同業仲間、メディア、リスナーと様々な縁があって初めて成功に結び付くということを教えてくれる。

身の丈に合わず大きな存在になり過ぎた主人公のジャックが(途中からは)謙虚さを忘れずときには葛藤し、最終的には真実を告げてステージを
降り、一度は失った身近な存在・本当に欲しかったものを取り戻すのは良い着地点。
そうした「自分に正直でいること」という普遍的なテーマをビートルズという世界中で愛されたバンドを題材に描いたことは正解なんだなと。

コメディ要素もありエンタメ性は強いものの、音楽業界に対して皮肉めいたものも感じ取れて退屈せず観られた作品でした。
ただ、テンポ重視で一部登場人物の心情やジャックの成功過程が描写不足に感じてしまったので、それはもったいないなーと。
あとエド・シーランが思っていた以上にメインキャラで驚いたのと、完全に引き立て役だったので一体ファンはどんな感情で観ていたんだろうかと気になったり。

もしも自分の好きなバンドの存在が消えた世界があったなら、とてもじゃないが耐えられる気がしないですね...。
リミナ

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