緑

カニバ/パリ人肉事件 38 年目の真実の緑のネタバレレビュー・内容・結末

2.0

このレビューはネタバレを含みます

90年代サブカルを通ってきた者には
馴染みのある「佐川一政」とその弟のドキュメント。
カニバリストの兄に
弟がマゾヒストであることを告白するも軽く流される話。
中身としては薄い。
タイトルに「38年目の真実」とあるが
実際は「38年後の佐川一政とその弟」。

公開初日にロフトプラスワンだったかどっかで開催された
この映画のイベントのネット中継を観てから作品鑑賞。
メイド服は製作サイドが用意したけど
着せられた里見瑤子はもちろんのこと、
佐川一政にとっても「??」だったという話が
イベントで披露されたことをとてもよく覚えている。

イベント中継を観る前からすごく期待していた映画だったのだが、
観終わった後は名状し難い不快感に苛まれた。
とにかくなんでもいいから違う映画を観なければ!!
という強迫観念が生まれたくらい。
それまでは年に20〜30本程度の鑑賞だったのに
今では月にそれくらい映画館に行くようになったのだから
人生なにが幸いするかわからない。

今現在の佐川一政の過剰なピンボケアップが基本画面。
「気持ち悪いを通り越したなにか」を
延々観せられるというか観せつけられるという稀有な体験。
稀有だが別にしたくなかった体験。
映像に加え、咀嚼音がまた耳障りで耳障りで!
佐川一政がものを食しているシーンは
どうしても彼が起こした事件を思い出させるというのに
不快を極めることをテーマに映画を作ったのか!? と勘繰りたくなるほど。
「胸クソ」という言葉には到底収まらない
「不快以上のなにか」な映画も珍しいと思うので観たことに後悔はない。
但し、二度と観たくない。

佐川弟のアレさ加減をイベントで知ってしまっていたため
残念ながら映画での衝撃は少々薄れてしまった。
それでも直視できないシーンもあった。
弟は本当は兄に自分を食べてほしいように見えた。

しかし、ふつうに「佐川クン」がメディアに出ていたあの時代って
いったいなんだったのだろう。
今のコンプラコンプラやかましい世の中よりは生きやすかったな。
緑