Kuuta

サイダーのように言葉が湧き上がるのKuutaのレビュー・感想・評価

3.4
シティポップ的な絵柄で高校生のボーイミーツガールものをやるこの企画を、安直と捉えるか素直で良いと思うかは人次第だろうが、私にはラストのストレートさを始め、キラキラし過ぎて直視し難かったです。お話にもう一捻り欲しかった感。

設定や考証は物凄く良く出来ていて、「現代の商店街」ないし「日本にある理想的な都市」として、ショッピングモールを舞台に選んだのは素晴らしいアイデア。地主の娘と団地住まいの少年の生活が、夏休みのモールの吹き抜けで交錯する。

(モールは高度成長期の大規模工場の跡地に作られるケースが現実に多く、そうした土地の記憶を含めて受け継いでいく話にもなっている)

例えば実写を模したレンズフレアを多用する新海誠の作画とは異なり、背景もキャラクターも全てが均一に描かれ、いわばパンフォーカスが当たっている状態。この中でもキャラがちゃんと存在感を持って動くのが、きちんと「アニメ」している気がするし、面白いなと思った。背景の山は吉田博の版画を参考にしているそうです。68点。
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