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シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッションのナッツのレビュー・感想・評価

4.1
いやー、かっこよかった!
まさにそれに尽きる!
原作をリアルタイムで読んでた世代なんで、正直実写化にそこまで期待してなかったんすよね。
で、まあ休み前の晩に眠気と闘いながらアマプラでオープニングだけ見てみようかなと。
全く予備知識入れず鑑賞したのですが、ポスターとかのビジュアル見て、フランス人かーとか、香はもうちょい美人じゃねーか?とか思ってたんですよ、見る前までは。
でもこの作品は原作リスペクトで溢れかえった作品でした。
オープニングからジャンプ的というかややコロコロコミック寄りの物理的な下ネタ飛び交う面白バトルがスピーディーに展開され、その過程でもう僕の心はフランス版冴羽獠の虜です。
そっからラストまで一気見でした。
そして冴羽獠のオープニングバトルの相手を務めるのはあの海坊主!
押さえてるなーと思いました。
のっけから飛び交う「もっ◯り」というパワーワードも原作愛を感じます。
肝心のヒロイン、香なんですが、まあ程よくバタ臭いというか、正直もうちょい美人にできなかったんかいなと思ったんですよ。
もちろん演じる女優さんは綺麗な方なんですか、演出方法というかなんというか。
でもね、確かに原作でも香って作品1の美女ってわけでもなく、ヒロインって毎話毎に代わる寅さんシステムが採用されてたじゃないですか。そしてシリーズの後半、そして新シリーズに向けて、主人公が最初から気づいていた香の正ヒロインとしての魅力に読者が気付かされていく、みたいな心地いい流れがあったんですよ。
この映画の香もまさにそうで、物語進行とともにどんどん魅力を増して行きまして、ラストの方はまんまとキュンキュンさせられました。
原作リスペクトもさることながら、作品全体に過剰なまでのサービス精神が満ち溢れ、その様はまるで80年代の香港映画を観ているようでした。
ところどころに細かく挿入されるしょうもないギャグに笑い、原作キャラたちのブレない演技にニヤリとし、ジェロム・レ・バンナの無駄遣いに興奮し、誰得のおっさんずラブにキュンキュンする。
そしてなんといっても冴羽獠ってめっちゃカッコイイんやなと連載時から時を経て再確認できました。
冴羽獠の残念なイケメン振りが程よく体現されてるんですよ。
まあ確かに実写になった冴羽獠の行動って、ちょっと度を越した性獣っぷりにドン引きやと思うんですよね。実際鑑賞中に何度も性欲外来的な病院行ったほうがええんちゃうかと思いました。
でもそれも全て香に対する自身の思いとの葛藤から生じる行動なんだとしたら、ギリギリアウトなぐらいまではその認識を修正されます。
実際あの顔であの身体能力があれば絶対モテると思います。が、残念過ぎるトーク力と過剰すぎる性欲の暴走が彼を愛すべき三枚目に仕上げてるんですよね。
そして、そんな日本の漫画という限定カテゴリーの中でのみ許されていたはずのスーパーヒーローが、長い時を経て海外で実写化されるまで愛されていることに本当に喜びを感じました。
90分という短めの尺の中に、これでもかというぐらい原作愛とサービス精神を詰め込んだ、ほんまにいい意味で期待を裏切る良作でした。
もう実写化はこのキャストで固定でいいです。
続編あるなら必ず観に行きます。
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