トッキー

シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッションのトッキーのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

北条司先生の人気漫画「シティーハンター 」をまさかのフランスで実写化。
日本公開はいつなのかとずっと待っていましたが、ようやく本日公開。
と言うわけで早速観て来ました。

まず、これまでアニメ版で冴羽獠、槇村香の声優を務めていた神谷明さん、伊倉一恵さんはチョイ役の吹き替えによる出演に留まり、今回の実写版では冴羽獠の吹き替えを山ちゃんこと山寺宏一さん、そして槇村香は沢城みゆきさんが務めてます。

やはりアニメ版のファンからすると特に冴羽獠=神谷明さんと言うイメージがあり、実際に鑑賞するまでどうしても不安がありましたが、山寺宏一さんも沢城みゆきさんも実にちょうど良い具合に冴羽獠と槇村香を演じてくれています。
原作やアニメの雰囲気を壊さず、それでいて若干セクシーな新しい冴羽獠を演じてくれた山寺宏一さん、一方の槇村香役の沢城みゆきさんも「これ伊倉一恵さん本人の声じゃないのか!?」と思わせるほど安定感のある吹き替えで、今後もアニメ版の方で新作が作られ続け、いつか神谷明さんと伊倉一恵さんが声優業から退いたとしても、両者とも安心して後を任せられるのではないかと素人ながらに感じました。

主人公2人以外のキャスト陣ですが、
海坊主、野上冴子と言ったその他の原作キャラに加え、今回の実写版オリジナルのキャラクターもとても魅力的。
偶然香水を嗅いだ事で香に惚れてしまいどこまでも追いかけてくるポンチョ。
たまたまバッグがすり替わった事で香水を手にし、憧れの女優を惚れさせようと企むスキッピー等のコメディリリーフがシティーハンターの世界観に上手く交わり、3分に1回は笑わせてくれます。
(スキッピーの憧れの女優を演じるのがパメラ・アンダーソンで、劇中でもベイ・ウォッチの音楽が流れるシーンがあったのですが、もしかしてパメラ・アンダーソンが原作やアニメのファンだったとか、何かシティーハンターと深く関係があったのでしょうか??)

そして肝心のストーリーは、
おなじみ冴羽獠と槇村香によるコンビが、付けた人間の香りを嗅いだ者を惚れさせると言うとんでもない香水を悪人の手から守る為に奮闘すると言う、割と原作やアニメでもありそうな内容。


とにかく話のテンポが良く、本編自体も90分弱の映画な為、個人的には途中でダレる事は無いかと思います。
獠と香のドタバタ、そして100tハンマー等の原作及びアニメでお馴染みのアイテムも自然な形できちんと実写の世界に登場させ、原作のノリを忠実に再現しつつも実写版ならではの表現も上手く加えていて、ファンとしては嬉しい限りです。

他にも、劇中でアニメ版と同じBGMが使われていたり、回想シーンでのみ登場する香の兄が付けている腕時計にTMと書かれていたり(TM NETWORKから取ってるのかは不明ですが)、獠と香が香水を取り戻す為に潜入したパーティ会場でかかる曲もアニメ版の第1話の内容を彷彿とさせる様な歌詞だったり、そしてエンディングはもちろん静止して引きのカットからのGet Wild(もちろん本家TM NETWORKバージョン)で、これまたファンをニヤリとさせる要素が多数。

惜しいのは、日本では吹き替え版だけしか公開されていないことに加え、原題である「ニッキー・ラーソン」ではなく、あくまで「シティーハンター THE MOVIE」として公開されている為、原作及びアニメのファンの方以外には劇中に登場する主要キャラクターが皆原作通りの和名で呼ばれている事に違和感を感じる方も多いと思うので、そう言った意味でも字幕版が公開されなかった事はとても残念です。

しかしそんな一部のマイナス要素を除いても、とにかく最初から最後まで監督・主演・脚本を務めたフィリップ・ラショーのシティーハンター愛に溢れていて、漫画原作の実写映画のお手本の様な傑作である事は間違いないです!
こんな実写版シティーハンターを待っていた!
と言う事で、原作及びアニメのファンとしてはこの点数以外はありえないです!
今年公開されたアニメ版と共に、ランク付けは出来ない特別枠!!
ありがとう!フィリップ・ラショー
トッキー

トッキー