砂

透明人間の砂のレビュー・感想・評価

透明人間(2018年製作の映画)
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13分の短編アニメーション。

本作における「透明」とは実存としての存在ではなく社会的存在としての「不在」を指しているのだろう。「モノ」には触れられるのに、「重さ」がなくて、人には見えない存在。生きているのか、それすらわからない。

だが、同じように「見える」人も確かにいる。そして「パンを食べる」。
薄曇りから雨、最後は晴れと天候は主人公の表象となっており、最後に流れた血は存在としての再生であった。

何気に豪華キャストでありオダギリジョーはほとんど唸り声だけで巧みな演技で、中田ヤスタカのBGMも控えめながら非常に良かった。
コンセプトの核を粗削りなまま推進できる短編アニメだからこそできる一作だったと思う。
砂