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スキャンダルのRENのレビュー・感想・評価

スキャンダル(2019年製作の映画)
3.6
魚は頭から腐るという言葉がある。トップの行動によって多くの社員が「この会社は異常だ」と言うのは働く側にとっての苦しみだろう。
エレベーターで3人のアナウンサーが乗り合わせるシーンはそんな閉鎖的で先の見えないFOXの方針を暗示しているのではないか。
大手だから、キャスターになりたいから、そんな憧れと向上心に漬け込み卑劣な手段で女性を食い物にする男には反吐が出る。
しかし、セクハラを告発するにあたっての、収入だったり契約だったり、当事者だけでなくその周辺の人々へ与えられる影響といった「障壁」が葛藤となってしまう。
各俳優の演技力も素晴らしく、作品の緊張感と不快感を見事に表現している。マーゴット・ロビーはオリジナルキャラクターとしての出演ではあるが、ストーリーを盛り上げる重要なポジションにいたのは良かった。彼女の存在が、FOXの呪いが今でも続いているということを表している。
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