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ブルータル・ジャスティスのxoのレビュー・感想・評価

ブルータル・ジャスティス(2018年製作の映画)
4.0
淡々と、ひとつの事件に関わる3者それぞれの立場を描き進行するサスペンス。
ラジオやダイナーで流れている曲は聴かせつつも、基本的に劇伴はなし。シブい。気持ち良い。

緊張感が持続しているとともに同時にポップな佇まいもある。
メルギブソンとヴィンスヴォーンのコメディすれすれのやり取り。不思議な間だったり、余計な一言だったり、ウケ狙いというのではない絶妙な塩梅の面白さがある。
とはいえ後半のメルギブはいつの間にか「パーセントおじさん」になっちゃってたけど。。

本作のメッセージは他の昨今の映画であまりないもの。
不遇な状況。貧すれば鈍する。金がないゆえ、恵まれないがゆえのやむなしの不法行為。犯罪者にも彼らなりの理がある。。
ポリティカル・コレクトネスにノレない人たちは大勢いるわけで、憎しみや怒りや嘆きの背後にあるものに目を向けないうちは、何も変わらない。

主人公の造形もだけど、鑑賞後の後味は「スティルウォーター」にも通ずるビターなものを感じた。
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