ノラネコの呑んで観るシネマ

流転の地球/さまよえる地球のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

3.9
ネットフリックス。
太陽が赤色巨星化し、人類は地球そのものを巨大な宇宙船として、4.3光年先の別の太陽系を目指す、というムッチャ豪快な設定の中国製SF大作。
「妖星ゴラス」との類似性が話題になってたが、「地球を巨大エンジンで動かす」以外は全然別の話。
むしろ全編に漂うエメリッヒな香りに、作品の方向性が見える。
ええ、もちろん好物ですともw
映画は木星の引力に捕らえられ、激突の危機を迎えた地球をいかにして救うか、宇宙ステーションの父と地上の息子のツートラックで描く。
ビジュアルの出来栄えは素晴らしく、ハリウッド映画にも遜色無い。
特筆すべきは膨大な美術デザインで、これが非常に良く出来ている。
人間ドラマはエメリッヒ的に緩いんだけど、これも実に中国的なファミリーの絆の話で、春節のリユニオンが重要なモチーフになっているのも、お国柄が出ていて面白い。
地球ごと移動と言うアイディアも、世界中どこでも中華街を作っちゃう中国的な発想かも。
ちなみに予算組みが雑でポスプロの予算が足りなくなり、制作ストップしそうになったところ、主演のウー・ジンがポンと1000万ドル出したとか。
いまや中華圏のトップスターの稼ぎは、ハリウッドスターも真っ青なレベルなんだな。