浅田さんの写真集も見たことあるし、面白い視点のカメラマンが出てきたなぁと思った記憶は鮮明にある。どっちかというと梅佳代さんと同じような空気感を持つ素人感を前面に打ち出したようなタイプと理解していた。
だから、東日本大震災のくくりについては全く知らなかった。
で、結論から言うと家族写真もここまでやってくれるとそれはそれでとても面白いが、一度やったら二度は使えない禁じ手のような写真集。その写真を撮る過程は単純に面白かった。平田満、風吹ジュン、妻夫木聡の再現率がとてもはまっていたから。でも全体を通してテンポが悪い。なんかどっか乗り切れない微妙な感じがする。
一番は浅田さんの人物構成に誠実さが感じられなかったこと。刺青もなんで入れてるのかよくわからないし、ファッションであれだけの面積はちょっと危ない人感が強い。働かないし…
でも彼以外の家族は至って普通。むしろ人が良すぎくらい。だから余計に浅田さんに信頼が置けなかった。ノリで生きてるみたいな感じ？
カメラマンだって生き残るのに必死でやっている人の方が圧倒的に多いでしょう。でも浅田さんはそうじゃない。人生の時間をどう使うかは自由だからいいんだけど、家族写真を撮る商売だって撮られる方は安くはないだろうに、あのくらいのセットと準備で果たして商売になるのか？ならないだろうと思う。まぁ独り立ちするには心配ばかりですよ。
北村有起哉が黒板五郎に見えた。北村さん熱演です。菅田将暉オーラ全て消してた。のぶえさん素かよって思うくらいのラフさ全開。
悪い題材じゃないのに、モサッとした印象がとっても残念。
