せっ

ラストナイト・イン・ソーホーのせっのネタバレレビュー・内容・結末

4.3

このレビューはネタバレを含みます

途中からセクハラおじさん亡霊のコメディ。

デザイナーを目指しロンドンの大学に通うことになったエロイーズがある古めかしい家の屋根裏を借りたことで60年代に同じ部屋に住んでいた少女の人生とリンクする話。

前半の60年代ミュージックとオシャレな雰囲気ですごく好きだったのでできればこれで最後まで行ってほしかった。特に60年代にエロイーズが入っていく最初のカットでショーン・コネリーの『007』の看板が出てくるカット胸踊ったし、鏡を介したエロイーズとサンディの描写も良かった。

でもセクハラおじさんの亡霊が出てき始めてからちょっとそれがポップになったり、最終的にゾンビっぽいのがちょっと残念。女性が男性に感じる恐怖をホラーとして描いてるのは良いんだけど、その恐怖が必ずホラー的な恐怖な訳でもないのでそれでひとまとまりにされちゃってるのがな。

暴力を振るわれたり、夜に知らない人に後をつけられてるような怖さは確かにホラーの怖さなんだけど、男性が下心のある目線を向けてくることに対する感情って体の内側からジワジワと恐怖が湧いてくるって感じ。それまで100点満点の1日をすごしてるのに急に話しかけられた瞬間に60点ぐらいになる感じ。無視すれば良いとかの問題じゃなくて話しかけられた瞬間に気分がマイナスになるんだよ。分かるかな?(笑)

劇場何度もエロイーズに「かわい子ちゃん」みたいな感じで話しかけてくる男が出てくる描写があるならその恐怖の感じ描き分けて欲しかったな。

でも、警官のじいちゃんに対するミスリードの仕方はとっても的を得ていたと思う。絶妙にまともな人にも見えるし絶妙にキモいんよね。普通に「この町の女の子は全て把握してる」とか言ってるじいちゃんキモイやん。「君の名前の曲だよ」とかめっちゃキモイやん(笑)(笑)

多分あのじいちゃん男性主人公の映画だったらちょっとおかしなお助けキャラみたいな感じなんだろうけど、若い女の子が主人公だったらお助けキャラにはならんよ(笑)昔偉い人だろうと今何をしてる人だろうと、急に話しかけてくる男性は女性からしたら"ストレンジャー"でしかない。

そしてサンディ側で出て来る時も警官だとしても他のおじさんとあんまり気持ち悪さ変わらないっていう。ほんとにちょっとまともかな?ぐらい。

ホラー描写はそんなに怖くないんだけど冒頭のキラキラ描写で心踊ってるから油断しててめっちゃビックリします。
せっ

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